今宵もひとり猫見酒

愛猫を見ながらひとり酒。それを楽しみにがんばる日々です。

お花畑は見られましたか

おはようございます。


昨日の16時頃。
作家の山本文緒さんの訃報をYahooのトップニュースで知りました。


山本さんの作品を、20代後半から30代にかけて、よく読んでいました。


小説もエッセイも大好きで。
いつも手元に置いてました。


山本さんが執筆活動を中断されてたあたりから、少し離れてしまい。
復帰後の作品はほとんど読んでいませんでしたが。


58歳で膵臓がん。来月はお誕生日だったはず。
非常に考えてしまいました。



帰宅し、本棚で山本さんの作品を探しました。


文庫本で何冊か持ってましたが、手放したのでしょう。
手元に残していたのは、この4冊。


バイブルのように読んでいたエッセイ2冊。
衝撃的だった『恋愛中毒』。
それから、デビュー作が載ってる作品集。



私が今でも覚えているのは。
『かなえられない恋のために』の中の「三十歳になるまで症候群」というエッセイ。


その中で山本さんはこう書いている。引用します。



若さがなくなると同時に、それに代わる魅力を自動的に得られるものだとばかり私は思っていた。
けれど、山は自分の足で登るものなのだ。
エレベーターなどついていない。
野原の花は次々と枯れていく。
そこで一生ひっそりと暮らすことも可能であるが、お山の上にある花畑に、私はやはり行きたい。
いや、あると聞いてはいるけれど、本当にあるかどうかは分からないお花畑。
そこへ向かって、私もあなたも坂を登りはじめるのであります。



山本さんがこの文を書かれたときと同じ年齢くらいに、これを読んだ私は。
私もお花畑を見たいと強く思いました。


山本さん、お花畑は見られましたでしょうか。


ご冥福をお祈りいたします。



私の個人的な思いを読んでくださり、ありがとうございました。
皆さまも良い一日を。